ペペロンチーノの代名詞”乳化”
乳化という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
乳化とは、水分と油のように本来混ざり合わないもの同士が均一に混ざり合う現象のことです。
性質が合わず調和しないことを「水と油」といいますが、料理において水と油は混ざるのです。例えばサラダなどに使用するドレッシング。しっかり振ることで一時的に混ざり、とろみのついた液体になります。これを乳化というわけですね。他にはマヨネーズ。酢と油が使われ、卵が酢と油を結びつける乳化剤として作用するため、分離せずなめらかなクリーム状に保たれるのです。
乳化のメリット
①パスタの口当たりがなめからになるから。
パスタソースを乳化させることで水っぽさや油っぽさがなくなります。油と水を混ぜるのに双方の感じがなくなるというのも面白い話ですね。
②パスタにソースが絡みやすくなるから。
乳化するととろみがつきます。そのためパスタにソースが絡むようになり、一緒に美味しく食べることができます。スープが絡みついてくるラーメンという感じでしょうか。(ラーメンには詳しくないので間違ってたらすみません)パスタを食べ終わってお皿を見たらソースがない状態がベストですね。
乳化させるには
ここではざっくりとした説明でいきます。
乳化は水と油を混ぜること。この二つを混ぜるには空気が必要です。
①フライパンに入った油にパスタのゆで汁を加える。そして火にかけながらフライパンをゆすって空気を含ませる。するとソースが白濁して、とろっとした感じになります。これが乳化。
②乳化が確認出来たらパスタを投入し、あおりながらパスタにソースを絡めていく。完了!
乳化って必要だろうか
いまさら? って感じですが、乳化って難しいですよね。乳化乳化と話が出るくらいには、パスタを作るにあたって出てくる問題なのです。そもそも乳化のメリットは”口当たりと絡みやすさ”なのです。疑問に思われた方がいらっしゃるかもしれません。「味は?」そう、メリットに味はないのです。むしろぼやけてしまうことがあるそうです。
乳化でのソースのとろみが塩気をぼやけさせてしまう。とろみが強くなればなるほど鈍化してしまうそうです。パスタが熱くなると表面からデンプンが出てきて乳化されたソースがさらにとろみがつきます。手間取っているとどんどんととろみが出て味がぼやけてしまうということですね。すると味見をして塩が足りないと思い足してしまう。その際にもとろみが増してく。塩見が鈍化されると負のループが始まります。
熱心に練習して上達していくこともいいでしょう。しかし、一般的にそこまで熱意を向けない人が多いはず。そのような方は、そこまで乳化にこだわらなくてもいいと私は思っております。
真剣にマスターしたい方は乳化の練習を。そうではない方は乳化の知識だけ持って気軽にやりましょう。料理は楽しいものです。乳化でパスタを嫌いにならない程度でおさえておきましょう。